2012年6月15日金曜日

We Need To Talk About Kevin/少年は残酷な弓を射る


We Need To Talk About Kevin/少年は残酷な弓を射る

※ネタバレしているかも

エズラ・ミラーの睨みが予想を外れてあまり色気を感じなかったのが不思議。
そういう風に撮っていないから、との友達の意見。確かに。。。。。。
自慰を母ティルダ・スウィントンに見られてしまったときの、隠すでなく母親に見せつけるように睨むところ。(このとき、上半身裸なんだけど、背中のにきびが生々しい10代というかそういう印象を持った。友達曰くもっと綺麗に撮ろうと思ったらあおひげも綺麗に修正するとのこと)
ドリーマーズのルイ・ガレルが双子の姉エヴァ・グリーンに命じられてマイケル・ピットの前で自慰をするシーン。すごく色気を感じた。
私が映画の主人公に恋するとき、それは視線で、ルイ・ガレルの上目遣いはとてもセクシーだった。でも、エズラ・ミラーのあの上目使い、睨む目つきはセクシーさを感じなかった。
まあ話の次元がそもそも違うけど。てか最初にこの感想ってちょっと人として恥ずかしいね。。。。。。でも絶対好きだと期待してたんだもん!!
だってそれは色気を感じていいシーンでしょ?
不器用な女親に母を憎悪する息子がテーマで、しかもその少年は妖艶な美少年。←美少年じゃなくてもいいはずなんだから。それはどこかにセクシャルな要素を感じてほしいからの配役なはず。だからそう見ていいはず。そう見たけど、あまり色気を感じなかった。
アメリカン・サイコのクリスチャン・ベイルはサイコでありつつも色気を感じたよ。エズラくんはサイコは感じたけど色気がなかった。
なぜでしょう?うーん。
サイコや時計仕掛けのオレンジみたいに本当にはなから狂人というわけではない。一線をこえたフリークはそれだけでもう個性というか。アイコンになるカリスマ性があるからね。そういう意味での色気とうちなる色気はまた別?からっぽな感じかな?でも彼はからっぽって感じたことは、彼の演技の力量で、からっぽで痛みを感じることができないから(6歳くらいの時母によって骨折してしまったが、泣くことすらしない)のおぞましい行為で、そしたらエズラくんの演技は成功しているということになるのかな。(本当にいやらしい、憎らしい子という感じはすごく出ていた。小さいころからのTシャツをへそ出しくらい小さくなっても着続けるとか。余談だけど、幼少期のケビン役Jasper Newellもすごくうますぎてびっくりした)

やっぱりわからないのは、母が助かったのは、偶然?それともわざと?母も殺されていた可能性はあるの?
その行為は両親の決断に対して行われたなら、ケビンはどっちにいくはずだったの?
考えれば考えるほどわからない。
そして理由も。。。。。
毒になる親という本で、暴力はなかったが、日常的に母親(片親)から呪いの言葉をかけられていたある男性は、独り立ちしてすでに一緒には住んでいないのに、まるで母の呪いの言葉を実行したいかのように、自暴自棄で死にに行くような生活を送っていた、という例が載っていて、ケビンも母からかけられたそういう言葉に呪われて自身の首を絞めていたのか。。。。
子ども時代を振り返るワンシーンでは、ところどころ、肩に手をおいたり頭をポンとしたりするはずであろうところで、ふれあいというか母が触ることがなかった。
でも父は?彼にはケビンとの間に母があまり得意でない肌と肌のスキンシップはあった。
父を愛していなかったのか。はたして愛していたから肝心なところで自分を理解してくれないことに、裏切られた気持ちがしたのか。だからめちゃくちゃにしてしまったのか。
母は愛していないから生かしてやったのか。愛の裏返しのものすごい憎悪がぐちゃぐちゃになって殺せなかったのか。
考えれば考えるほど、後味が悪くて、胸が痛い。
でも、最後、母がようやく息子と対峙しようと決心したようなそんな強さでケビンを抱きしめるのが唯一の救いだなと思った。

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