2012年7月15日日曜日

LA FRONTIERE DE L'AUBE/愛の残像


この上目遣いで涙ぐむの、たまんない。
LA FRONTIERE DE L'AUBE/愛の残像
シアターイメージフォーラム初。
ルイ・ガレルを大画面で見たかったんだもん。
(映画館ではみたことない)
父親フィリップ・ガレルの作品は2回ほど挑戦したことはあるんだけど、全没で、今回も寝ないか不安だったけど、やっぱりスクリーンの奇跡♡大丈夫だった♡

愛の残像なんていうから(原題は「夜明けの境目」という意味らしいです。08年とかなり前の作品)愛が生まれて冷めてのむなしさね。はいはいむなしい、切ないねーってなめてかかってたら、かなりのホラーだった!まじ、ちょっと怖かった!ホラー要素でこわいというよりか、狂気の怖さ!

ルイ・ガレルの見所を言うと、いちゃつくシーン。レストランで、いちいち手にちゅっちゅキスしたり、彼女を愛おしそうに見つめて。ご飯も食べずに。
歩きにくいだろ!ってくらいの密接度で肩を組む。離れるときはこっちが恥ずかしいくらいのキス。
だから外人の男は好きだわ。こういうのを日本の男は恥ずかしいから、やってくれる人なんていないでしょ。それをこうも自然にやってくれたら、本当にそりゃラブラブになるわ!倦怠期とか、ないわ!それをルイ・ガレルがやると想像してご覧。たまらねえでげすよ!!!!

白シャツ姿はまぶしいし、子猫チャンと戯れるサービスショットなどもあり、本当にごちそうさまでした♡でも最初の彼女、女優キャロルはちょっとブス子さんだった!結婚予定のエヴも猪木ってた!ってことはおいといて。

ルイ・ガレルは年上女性に操られてアタフタする純なタイプが本当に似合う。
でも、女の子が同い年、年下だと奔放なヤリチン。というより、恋愛百戦錬磨のプレイボーイという感じ(ヤるのが目的というより恋愛に生きているという感じの)の役所が似合う。
でも本領発揮はやはり年上女性。

奔放な彼女に振り回されて、でも何も言えずに目でにらみつけるあの表情。かまってほしくて、でも、かまって、とは言えなくて、何か言いたいけど、言ったら幼く見えるかって心配があるから、睨みつけるしかない。
元カノがお酒によってだらしなくなるところを嫌がる表情。遅刻する彼女に怒る顔。もっと困らせたい!ってなってしまうよ。

あと印象的だったのは、、ていうか、途中まで60年代とか70年代が舞台かと思っていました。全編白黒だし、フランソワ(ルイ・ガレル)のカメラもフィルムだし(今時)やりとりは手紙。途中のホテルのシーンで、フロントにphillipsのパソコンが設置されていたのでようやく現代か、ってわかった。
キャロルが精神を病んで繰り返す言葉『革命はまだ終わっていない』とか見ていると、フィリップ・ガレルは、未だに5月革命とかその時代に生きているんだなあと。そうじゃないなら恋愛に。それって変わらないって意味ではいいことだけど、どうなんでしょうね。でも、劇中の2人の女性の描き方は魅力的でした。正反対っという感じが出ていて。(って一番セクシーなのはルイ・ガレルだったけど。私は、父親が息子をこんなにセクシーに録る事にエロスを感じましたが。でも脱ぎ丸出しがお家芸のルイ・ガレルもさすがにお父さんの作品では丸出さないんだねってどんな感想だ。。)

彼の衝撃的な最期は狂気によるものなのだろうか。「安定」することへの恐怖が大きかったのではないかな。
張りつめた狂気がだんだんと顔を表すあの感覚は、怖かった。

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ところで、ルイ・ガレルのおじいさん、モーリス・ガレルについてちょっと調べていたら、アルノー・デプレシャンの「キングス&クイーン」(この映画大好き!)のエマニュエル・ドゥボスのお父さん役の人だったんだね。娘に「おまえに死んでほしい」という衝撃のお父さん。ルイ・ガレルとフィリップ・ガレルは超にてるけど、おじいちゃんはあまり似ていない。でも鼻は受け継がれたものなんだなー。


2012年7月6日金曜日

Dial M for Murder/ダイヤルMを廻せ!



昨日に続いてヒッチコック。この人がモナコ公妃グレース・ケリーかぁ。本当に美しい人だなあ。親がすごく年なので、世代がこの時代で、グレース・ケリーとイングリッド・バーグマンの美しさについてお母さんが常にすごいすごいと言っていて。確かに美しいわあ~。「ほあ~っ」ってなるね。
今の時代は結構個性が美人、みたいなところがあるから、(ケイト・モスとかアンジェリーナ・ジョリーとか。特徴ある顔だよね)あまりこういうクラシカルな美女はお目にかからない。誰だろう?

ホント、純真無垢って感じの、不倫とかのイメージが全く微塵もわかないのね。サスペンスみたいなストーリーだと逆にそういうほうがいいのかもしれない。

で、途中までは面白かったんだけど。。。。。。トニー(レイ・ミランド)がいい人っぽい面して実は超2重人格で、スワン(アンソニー・ドーソン)を脅すところとか。台詞まわしとか演技っぽい話し方、ねちっこいストーカー男の癖に、プライドだけは高くて、どこから湧くのか完全犯罪をやる自信が満々で。
あと、当初の殺人の計画からどんどんずれて歯車が狂っていっちゃうところ。もどかしくって。手に汗握る。

でも結末が。。。。。今だったら起こり得ないよねというか。。。。。。。。しゅーん。
内容が内容だからコメディ要素もなかったし。

全てが明らかになって、悪びれも言い訳もせずにみなに接するレイ・ミランドもよかった。

やっぱりこの時代のフォントデザインかわゆい
可愛い撮影風景を発見。ヒッチコックさん指咥えてどうした?

2012年7月5日木曜日

Vertigo/めまい

Vertigo/めまい
ヒッチコックも攻略したいと思っている。ファニーな変態おじちゃんって感じの彼自身に興味があって、やっていた番組も見てみたい。
この映画から世に出たカメラワークとかあるみたいだけど、今となってはそのすごさとかよくわからない。でも確かに、バーでスコティ(ジェームス・スチュワート)がマデリン(キム・ノヴァク)に会うシーンのじっとりと見つめるカメラワークは素敵だと思った。
なんだか歯の奥に何か詰まっているようなむずがゆいミステリーの伏線が劇中に張られて、それがじわじわと展開していく様がハラハラさせられて、すごく面白かった。こんなに昔の映画なのに「ひゃあっ」とか思わず口から漏れてしまう。(昔、死刑台のエレベーターを見たんだけど、すっごくつまんなかった~。若かったから今見たらおもしろいのかな?)
音楽の使い方も心理的で、不安感が高まる感じ。主人公のジェームス・スチュワートはチャーミングだし(背が、高い!)キム・ノヴァクも二人とも狂気を表す表情がうまかった。

何より、可愛い!50年代可愛い!!!女性の洋服も男性のお洒落も。
ひとつ思ったのが、マッドメン、この映画意識しているよね!(って当然の知識かもしれないけど、マッドメンフリークなので嬉しくて)スコティに思いを寄せる女性、ミッジ。ドンの最初の愛人ミッジもこの映画の役と同じくイラストレーターだった。(マッドメンのミッジのほうが奔放っぽいけど。この映画のミッジがスコティに失言して「バカっ!バカっ!」って自分をポカポカするところ、可愛い)あとスコティの夢で自分が高いところからまっさかさまに落ちるシーンもマッドメンのオープニングっぽいし。

ポスターも超かわいい!!




2012年7月4日水曜日

Taking Woodstock/ウッドストックがやってくる!

楽しそうな泥滑り
Taking Woodstock/ウッドストックがやってくる!

グリー前のジョナサン・グロフ!エミール・ハーシュ。ポール・ダノくらいかなわかる人は。
ジョナサン・グロフがやーさんも驚くパンチパーマで、皮の房付きベストを素肌にきちゃって、馬で駆けたりとカッコいいワイルドヒッピーな役どころ。この人素顔はゲイらしいけどあんまりゲイっぽくない。むしろ主人公の方こそゲイっぽくない。
世界が変えたウッドストックフェスを自分の街でやることを決めた張本人のエリオット・タイバーの冒険の3日間。ってあんま3日間けっこう遊んでばっかりだけど。
ヒッピーでらりぱっぱな映画ではなく、60年代が終わり、70年代がもうすぐの新しい時代の幕開けの時期であること、そして田舎との葛藤、なにより家族との葛藤が描写されている。
ちなみにこのを読んでいるんだけど、この本自体がめちゃくちゃ面白い。映画はゲイであることがすごくライトに描かれているんだけど(建築担当のポールに恋して、ベット・インの描写、朝チュンだけすか!くっついてもないし、下手するとベットがなくて添い寝と勘違いするよ)ゲイの孤独と切なさがもっと細かく描かれている。映画中でも超感動して泣いてしまったお父さんとのやりとり、本はもっといいんだよね!
ゲイの人も共感出来る一級の読み物と書いていたけど(参照本当にその通りだと思う。ゲイに興味がある人も満足出来るし、ロック好きにも。

壁の絵が動いて綺麗

映画は、でもキャラクターが良かったです。お父さんもいい感じのクチャおじさんだし、トランスヴェスタイトのヴェルマ(X-manのウルヴァリンのお兄さんLiev Schreiberなんだね)も良かったし、営む民宿の物置に住む前衛アート集団(すぐみんなで脱ぐ)もいい味だしていた。エミール・ハーシュ(お兄ちゃん役はグレイス・アナトミーのダニーだね!)はあまり演技どころの役ではなくイケメン要員といったところ(脱ぐけど!)もっとゲイ描写欲しかったかな。
でもLSDでラリるところとかすごく綺麗で、フェスの楽しさを感じてるみんなが幸せそうで、全体的にとっても良かった!

アン・リーって「ブロークバック・マウンテン」もそうだしてっきりゲイかと思いきや違うんだね。いやあ「ラスト・コーション」見なきゃ。

アイデンティティと闘っていて、面白い本

ポスターも中央はお父さんお母さんなのがいい

2012年7月3日火曜日

Les amours imaginaires/Heartbeats


美男子とマシュマロの雨


2010年カンヌに出展されたフランス語圏カナダの監督 Xavier Dolan作品。出演しているというからググったら、当時若干23歳のジャスティン・ビーバーみたいにサワヤカくん。(同郷だからって分類しているわけじゃなくて本当に似てると思った)若いのにスゴすぎる。。。。。
ゲイの子(Xavier DolanFrancis)と女子(Marie)の親友が街の新参者の男の子( Nicolas)に恋をするお話。でもこの罪作りの男の子はどっちも愛していないのに、ふたりが苦しんでいるのを楽しんでいる感じ。
Xavier Dolanの演技が切なくて、良かった。辛くて、笑えないところ。口は笑うけど、目に元気がないの。あとフランスの流行歌 BANGBANGが恋のシーンでかかるところもカメラワークがスローになって、センスよかった。
3人のピクニックも自然が美しくて素敵。 NicolasFrancisとじゃれあうところとかエロいというかすごくドキドキする。この罪作りの Nicolasが!!!心臓のドキドキが聞こえてきそうなカメラワーク。 Nicolasを撮るカメラが本当に、この俳優さんに恋しているような感じ。ギリシャ彫刻と交互に映して、いかに彼が美しいかを表現するの。

切ない。途中途中つらい恋についての若者のトークの場面が挟まれているのもいい。
ファッションもセンスも素敵。Marieがオードリーヘプバーンや60年代っぽい衣装なのも可愛い。お部屋にゴッホやシーレなどのポスターもたくさんある。ティーポットなどのセンスもバツグン。

 MarieもFrancisもNicolasに切ない恋心を抱きながらも身体を交わす人は別にいる。その描き方も丁寧というか、愛があって。捨て身なセックスじゃなくて、身体で慰め合う感じ。このカメラワークも暖かみがあってスゴくいいんだ。
そして、、、、、、、、何より嬉しかったのはLouis Garrel。最後にふたりがまたしても同じ過ちを犯しそうな暗示として出てくるんだけど。年齢上杉なのに若者っぽい服着せちゃって!このXavier Dolanは男の趣味が最高だね!映る男が魅力的!Louis Garrelだなんて、彼のセクシーさをわかってくれて嬉しい!
Louis Garrel、ウィンクなんかしちゃって。いつも暗い子の役ばっかだけど、こうやってモテ男としてコメディに出たらきっといいのに~